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古本屋日誌
旅行は無駄なことが多い。
ネットの情報や旅行雑誌、テレビのCMに踊らされて観光地に来てみたら、たくさんの人であふれているし、観光業者の方々もいつまでも続く客の波に食傷気味で「えー❗️まぁた来たんか❗️」てな顔つきだ。
これは観光業者を責めているのでは全くない。
いくら金を落としてくれるとはいえ、多すぎたら困るのは当たり前だ。
ガキの時分ならいざ知らずええとしこた大の大人がいつまでも旅のとりこになってここは良かったけど、こっちの温泉はがっかりだなどと書き込んでいるのは幼稚だよなあ。
観光ポスターに使われる写真は美しい、確かに魅了される。
しかし少し考えたらそれはプロのカメラマンが何ヶ月も費やして美しい瞬間を切り取ったものだ。
われわれがぽっと出向いて出会えるようなカットであるわけがない。
実際の観光地は人であふれているのみならず、ゴミも散らばっているし、車もバイクもトラックもいくらでも走っている。
それは当たり前だし、そのおかげでわれわれは楽しいひとときを得ることができるのだ。
でも失望が襲ってくるのも確かだ。
料理がうまいと言ってもそれは地元で取れた食材だからうまいに違いないというバイアスがかかった思い込みで、冷静に考えたら梅田や難波に行けば、いや家の近所で容易に楽しめる程度の味にすぎない。
また観光地に到着するための時間も大問題だ。
家から最寄駅まで、歩いて大阪駅まで出て、有料特急に乗って2時間、そこからバスてな具合で、どう考えても時間の浪費だ。
でも長い老後、やることがない無聊に多くの人は苦しめられる。
パチンコや博打では心は満たされない。
そうすると旅行で浪費する無駄な移動時間や得るところがない観光はヒマを潰すためにはなかなかよく考えられた装置にも思えてくる。
われわれ古本屋もそこには学ばないといけない。