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古本屋日誌

2022-01-14 19:20:00

津村節子は芥川賞作家で、吉村昭の嫁さんだ。以前吉村が癌になって塗炭の苦しみを味わい最期は自ら呼吸器の管を引き抜いて尊厳死を遂げた様子をつぶさに描いた本を読んだことがある。

 

そのリアルに達する津村が昭和10年ごろの吉原遊郭を描いた作品が「石の蝶」だ。

おりから世界大恐慌の嵐が吹き荒れる中食い詰めて4年の年期で吉原に売られる若い女の話だ。

小見世と呼ばれる少しランクの落ちる女郎屋なんだが売れっ子になると一月の売り上げは250円くらいになり、そのうち80円くらいが女の取り分になる。

そこから衣装代や日用品代や飲食費が引かれるのだが、それでも女工の月収22円や百貨店員の24円からしたらかなりいいという。

 

 

それはさておき東京のカフェーの女給の話が面白かった。

 

 

カフェーは「お歩きさん」という新手の戦術で遊郭に出向く客を奪おうとしたという。

 

 

メリンスの風呂敷包の女が街頭に立ち、「お茶でも飲みにいらっしゃいませんか❓」と店に連れ込む。

 

 

女は下履きをつけておらず、ボックスの中で数人の客の膝の上に身を横たえる。

 

 

客は各自女の肉体の思う部分に手を触れる。

 

 

女の嬌声がこだましてこれが「オルガンサービス」なる名前をつけて評判となっているというのだ。

なるほどね、カフェーのいかがわしさはこれまで本にも出ていたが、具体的なサービスに触れているのは珍しい。

さすがは津村節子だよなあ。