Welcome

古本屋日誌

2021-12-14 13:02:00

昨日はハルカス美術館でやっている「福富太郎コレクション展」に行ってみた。

 

福富はキャバレーの経営者で銀座にも「ハリウッド」と銘打ったキャバレーをオープンさせその利益で様々な絵画をコレクションしていた。

 

鏑木清方のはその中でも有名だが、伊東深水の絵も実はあるのだ。

 

それは「戸外は春雨」と題された巻物状の連続画でキャバレーの楽屋や舞台袖の様子が活写されている。

 

福富の経営していたキャバレーもそうだが、客を入れるホールや生バンドを入れてのショーが行われる舞台は驚くほどきらびやかで、異空間といっていいものだ。

 

ところがその舞台裏はショーを終えてあられもない姿のまま腰に手を当てて咥えタバコのホステスたちや、難しい顔をして舞台や客席を覗き込む経営者と思しき男の姿があるのだ。

ミュージアムショップでは図録とともに2018年に出た今井晶子の「キャバレー、ダンスホールの20世紀」も売られている。こちらはミナミの「ミス大阪」や「ユニバース」東京の「ハリウッド」の内装が取り上げてある。

 

私は「ミス大阪」が好きで何回も出向いているのだが、表から入ると段差もなくどんつきの舞台まで遮るものもなく見渡せる解放感を感じるはものの、店内は薄暗く、くすんだ落ち着いた雰囲気だ。

 

ところがこの本ではそれこそあたう限りの照明を使い、カメラの角度も工夫してこれまで見たこともない灼熱のトロピカルな空間が切り取られているのだ。

だから今回展示中の伊東深水の絵とはまるっきり反対の世界がそこにはあって面白い。