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古本屋日誌

2021-10-09 21:08:00

文藝春秋から出たルドガープレグマンの「希望の歴史」には興味深い話がある。

第一次大戦での戦死者の原因を調べたら前線での戦闘ではなく後方での爆撃や長距離砲によるものが極めて多い。

これは前線の将兵は敵兵を目の前にしてもなかなか発砲できず躊躇してしまうからだという。

なんでも発砲できたのは全体の一割くらいしかないのだそうだ。

これは人はそもそも善人でいくら戦争とはいえそう簡単に殺人を犯すことはできないからなんだそうだ。

ルドガーは1914年のクリスマスに塹壕戦を戦っていたドイツとフランスの将兵が期せずして賛美歌を歌い合い、挙句サッカーの試合をしたり、宴会まで催した語り合ったりしたことも挙げている。

これも人の性がもともと善なるものであることを印象付けるという。

なるほどね。

これまでも戦争では様々な飛び道具が使われた。重火器もそうだし、飛行機、弓矢や投石などもそうだ。

その目的は接近戦で敵に対してしまったら、こっちもやられる危険性が高くなる、つまり我が身かわいさからと理解されていた。

ところがルドガーはこの理屈を覆して他人や敵兵への思いやりから接近戦では矛先が鈍ってしまうからだというのだ。

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