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古本屋日誌

2021-10-06 21:34:00

朝日新聞社から昭和48年に出た「六浦光雄作品集」はいつ見ても面白い。

後半に京都、大阪を旅したイラストと日記風の文章が載っている。

四条縄手上るの「いづう」に鯖鮨を食べに行きたくなった六浦は道ゆく人に

「すみません、祇園の『いづう』はどこにあるかご存知でないですか❓」と訊ねるのだが

みな一様に「…………」でなーんも教えてはくれない。
「あの、有名な『いづう』だよ‼️知らないわけがない‼️京都の人は金にならないことにはまるで関心がないんだ」と書く。

前に雑誌『大阪人』に井上理津子が大阪市内の盛り場の大衆酒場をルポする連載をやっていて、千林の回が面白かった。

千林商店街の古くからやっている飲み屋に出向いて井上が「この辺で昔のことをようしてってはるおかたをご存知ありませんか❓」と取材しようとしても誰も彼も

「さあな……」と口を濁すばかり。

井上は頭にきて「こんな不人情な街はこれまでなかった」と書く。

そりゃ井上みたいなひまじんに付き合ってはいられないよなあ。

ただ文庫本になった時は「取材しなおした」とかで千林の悪口は消えていたけどね。

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