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古本屋日誌
2021-09-11 23:15:00
編集工房ノアから2015年に出た泉冨士子の「せんば」という詩集がある。
以倉紘平が帯に推薦文を書いている。
「優美な『細雪』の世界とは違った、地味だが、奥ゆきの深い興趣尽きない物語が並んでいる」
その中に「水売りの一日」というのがある。
なんでも午前2時に宇治川の、一番水がきれいと言われるところから水を汲んで、船で大阪に運び商家やお茶の宗匠のところまで運ぶ仕事があるのだという。
水は川に面した裏戸が開いていて、そこから運び込みなにがしかの謝礼を受け取って静かに帰っていく。
「また来た時のように静かに帰ってゆく」とある。
午前2時から仕事をしてくたくただろうし、人恋しくもあるだろうに、静かに帰っていくというのも不思議なことだよなあ。
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