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古本屋日誌

2021-07-06 12:44:00

加藤典洋の遺著「9条の戦後史」がちくま新書から出た。

今の日本はアメリカのボチの状態だが、その起源と変遷を探った本だ。

サンフランシスコ講和条約直後は改憲をし、再武装を成し遂げ自国の安全は自分で責任を取ろうと自民党は考えていたが、結局選挙で議席の3分の2を取ることができず計画は頓挫してしまう。

その後国の安全はアメリカにお任せして日本はもっぱら経済的な発展を追求する。

とりあえずその方針は時流にかなうもので「JAPAN AS NO.1」といわれるまでになるが80年代半ばのプラザ合意以降急速な円高で国の屋台骨が揺らぎ出し、今日ではアメリカにむしろ収奪される一方になっていると加藤は言う。

この本の分析で面白かったのは少し前に自民党が出してきた改憲法案が人権の保障を制限して自由を制限しようとしていたことの分析だ。

加藤によればそれはナショナリズムの発露なんだそうだ。

実のところアメリカに異議申し立てして国防から経済までそのくびきから脱したいところなんだが、全くその展望はない。

そこで行き詰まったナショナリズムは戦前の帝国憲法に自らのアイデンティティを求めようとしたというのだ。



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