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古本屋日誌
新潮文庫から松本創の「軌道」が出た。JR西日本の宝塚線の事故のルポだ。
この事故は実に不思議だ。
「現場と同じ半径300メートル以下のカーブはJR西管内に2000カ所以上あり、特に危険性が高いと認識できたわけではない」
事故を引き起こした高見運転手の勤務評価は平均が7.3点のところ10点で高い方だ。
またオーバーランに関しても事故後の05年の9月から06年の12月までの「停止位置不良」は2400件、そのうち40メートル以上いき過ぎたのが100件あるから、高見運転手がとりわけ異常というわけでもなさそうだ。
それにもかかわらず大事故が発生し多くの人が死んでしまった。
現場のカーブはごく一般的なものであるから、技術的に制御が困難だったというわけではない。
またこの運転手が引き起こしていたオーバーラン程度は珍しいことではない。
となると、なぜこんな大災害になったのかよくわからないのだ。
この本によれば高見運転手は車掌からオーバーランの距離を8メートルに負けてやると電話で言ってもらえて喜んでいたようだ。運転台で運転手は右腕の手袋を外している状態で、また特別な赤鉛筆が転がっていたともある。
推理すれば運転中にオーバーランが8メートルの時に必要とされる時間的な言い訳をあれこれ赤鉛筆でメモしながら考えていたのではなかろうか❓
そんなことはあってはならないし、もしそうなら医療的なケアがもともと必要とされていたのではないかと思うなあ。
どこの会社でも部下と一緒に必要な業務の作業真っ最中に、気になった些細なことに気を取られて肝心の業務そっちのけで別のことをやりだす上司がいますよね。
会社なら単独で作業というのは少ないから、イライラした部下がおもむろに笑いかけながら
「あの〜今はそれはやめときましょうよ。帰る時間がなんぼでも遅なりまっせ〜」と言ってやれるので大事件にはならない。
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