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古本屋日誌

2021-05-25 16:20:00

友人のお母さんが亡くなった。

この友人は中学受験の進学塾の日能研関西に正社員で勤務していたが、極度の労働過多で2000年の1月にくも膜下出血で過労死してしまった。

その責任を会社に問う裁判のからみで、静岡の掛川にお住まいで何度かお邪魔したこともある。

その時掛川の地酒の「開運」の酒蔵に案内してもらった。

そこは高天神城の湧水と兵庫で特別に栽培した酒米を使って清酒を作っていて全国的にも有名だ。

製造場の一角に直売所があってどの酒を買うか迷っていると係員にお母さんが

「あの大坂(これは掛川の地名です)の〇〇さんもよう買いに来てるゆうてたわ」と言う。

「………」反応がない。

「🔺さんおるやろ、開運を大阪のスーパーに下ろす話してた人」

「………、そうでしたかなあ」

「いやあの、ほら××さんな、いつもうちの近所の酒屋に配送しとる」

「あ〜あの人かいな、そうそうお世話になってますねや」とようやく反応があって

「この酒、仕上がったばっかりのやつなんや、持って帰ってな」とサービスしてもらった。

あとでお母さんはわれわれに

「おのおっさん、なかなか反応しよらなんだなあ、いろいろゆうてようやっとわかりよった」とちょっとはにかむように語っていたのが印象的だった。

静岡県掛川市、人口は5万人くらいのようだし、60年も70年も生きていたらたいていどこかで人と人のつながりはできているのだろう。

直接の知り合いでなくても友達の知り合いの連れみたいな話になると市民全員が繋がっているに違いない。それを見越して適宜知り合いの名前を並べていけば必ずつながるということなんだろう。

ただ俺は今の大阪のようなつながりの希薄な空気の方がいいけどね。



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