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古本屋日誌

2021-05-20 14:15:00

柳美里の「朝日新聞」連載の「8月の果て」は途中で打ち切りとなった。

柳美里の家族をたどる自伝風の小説でオリンピックのマラソン競技に出場できるほどの健脚の祖父のことも語られる。

しかし連載後半で13の子供が騙されて武漢の慰安所に連れて行かれて慰安婦をさせられる話になる。1日に20人も30人も客を取らされる様子が細かく描かれる。

やってくるのは帝国陸軍の将兵なんだが女とやりながら昼間の「出来事」を語る。

それは食料をシナの農家から奪い取る話であり、強姦する話だったり陰惨なことこの上ない。そんな話を得意そうにする兵隊にはすでに死相が現れているのだからなんとも救いのない話だよなあ。

結局はこういう日本人にとってはかなり読みにくい話が朝刊に毎日載り続けるのが朝日の経営者には困ったことだったんだろうなあ。

それはそうと、「芸術新潮」の最新号が福富太郎を特集している。福富はキャバレー「ハリゥッド」を全国(東日本だけだが)展開してキャバレー王の異名を取ったが、反面絵画コレクターでもあった。

鏑木清方や北野恒富、河鍋暁斎などのコレクションはなかなかのものだ。

福富によると「俺のコレクションは贋物ばかりだよなあ。画商が持ってきたものを俺の目で見て買ってるからなあ。」

実際徳川時代の浮世絵のコレクションは大半が贋物だった。ただ騙されていると分かっても買ったり、「とにかく持ってこい‼️」と門戸を広げたりしたおかげで最終的には展覧会を開催できるほどの名品を揃えている。

この辺は単なるケチで、また鑑識眼もなかった松下幸之助との違いだな。

幸之助は金だけはあったが、騙されることを極度に警戒して、大らかさが全くなかった。本人もバカだからものを見抜けない。そのためコレクションなど夢のまた夢だった。

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