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古本屋日誌
天牛新一郎の「われらが古本大学」を入手しました。
昭和60年に当時94だった天牛書店の創業者、新一郎へのインタビューを集めたものだ。
90を超えてもかくしゃくとしていて、昼間は孫の経営する店に出ていたというのだから大したものだ。
戦前の天牛本店は間口が6間、奥行きが25間(つまり45メートル)、蔵書20万冊というもので、これだけ大きな古本屋はなかなかないよなあ。
今の天牛本店の5倍くらいはあるだろうよ。二階では新一郎がこっていた浄瑠璃の大会が開催されていた。
面白いのは永六輔と「週刊文春」でやった対談を再録してあるのだが、その中で万引きへの対処を新一郎がかたるくだりだ。
永六輔「立ち読みやら万引きやらがあるでしょう❓」
新一郎「立ち読みはかまいません、万引きはじっと見るんです」
「そうは言っても盗まれたら困るでしょう❓」
「古本屋はその一冊で潰れることはありません、しかし万引きした人はそれで一生が潰れてしまうかもしれない。それでじっと見るんです」
そんなものかな。
今はあれだけど昔は万引きを見つけたら店の裏に引き摺り込んでどつき回す店がたくさんあった。警察に通報するようなことはしない。「あの店の親父は怖い、半殺しにされる」みたいな噂がたつのをねらっているわけだ。新一郎のやり方は確かに不思議だよな。
角座の前にあった店には俺も行ったことがあるけど近所の店主やら年配の客も多くて独特の雰囲気があったよ。
いきなり「おやかましさんです、〇〇ゆう本ありますやろか❓」とずいぶん長らく聞いたこともなかった大阪弁が普通に流れて、おまけにあの風貌の新一郎さんですからね。
最盛時には7つの支店を抱えていたのだが、せどりも恒常的に行なっていたことがわかった。
新一郎はあらかじめ全集やセットの本の欠本を調べておいて、手の空いている従業員に「神戸や京都を回ってこれを探して来い‼️」と命じていた。
さて一番びっくりしたのは創業時からしばらく続けていた買取のことだ。
なんでも「お買い上げになった本はお読みになったらまたお持ちください。お買い上げのお値段の9割で引き取ります」というんだから驚くばかりだ。
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