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古本屋日誌
老舗の古本屋にはいい本を売ってくださるありがたいお客様がたくさん付いている。
自分の店の専門が歴史書であってもそれに付随してあれこれの専門書や図録、岩波文庫やちくま文庫なども引き取ってくれると言われるので仕方なく引き取る。
このおまけの本を店で売ろうとするのだが、一々相場を調べるのはめんどくさいし、そもそもAmazonの相場では実店舗では売れないからその辺の値段の調整も厄介だ。
古本屋は家内制手工業だから人手がない。
だいたいそんなことに労力を割くくらいなら、もっと自分の専門の本を調べたいし、第一全国にでも飛び出して買い取りたいわけだ。
また買い取る時に客は「この辺の文庫は出版社からもうたり、見本で送ってきたやつやからただでええよって持っていんだってや‼️」てなことを言うのが常だから、ただで仕入れたものにあれこれ値段を付けてしまうと、この客が店に来た時に嫌がらせを言われそうで気が重い。
それで店売りは文庫は基本全て100円、岩波文庫、講談社学術文庫、ちくま文庫に限ってよさそうなのは定価の7掛けとか決めて売ることになる。
ただ大阪の古本屋は専門店化があまり進んでいないので、勢いなんでも並べることになる。
本当は自分の得意なジャンルだけで店を運営したいところなんだが、大阪の客はいろいろなジャンルが並んでいる本屋の方が好きなのだ。専門店ではメシが食えない。
だから嫌々ながら自分の不得意なジャンルの相場も勉強せざるを得なくなって、その勉強が新書や文庫にも及んでしまうこともあるのでそんなに安い値段では売られていない。
やはり文庫本でも利益を上げないと店がやっていけないのだ。
東京はずっと前から専門店化が進んでいて、万葉集の本だけを集めた古本屋だとか、ビートルズ関係の本だけ、相撲の本だけとか個性的な風変わりな古本屋がいくらでもあるよな。
こんなわがままな、つまり店主の好みだけで飯が食えてしまうわけだから東京の連中は人生をなめているよなあ。
私は全く東京の古本屋事情に疎いが、こういう本屋の場合、客からの買取は大半がいらない本になってしまう気がする。
われわれ大阪の古本屋なら内心(こいつなあ、ええ加減にしとけよ、しょうむない本ばっかり並べやがって地獄に墜ちろ‼️)と思ってもおくびにもださず
「ここら辺はちょっと難しいかなあ」と言って結局引き取らされてしまう。
しかし東京なら「あ‼️なにこれ‼️いらんいらん‼️アホちゃうか‼️」で済んでしまうのではないかな。
それでもちゃんと自分の欲しい本は集まってくるのだから笑いが止まりませんな。
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