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古本屋日誌
2021-02-20 17:22:00
渡邊大門が草思社から「関ヶ原合戦全史」を出した。最新の知見に基づいて関ヶ原から大坂の陣までの通史だ。
かつて司馬遼太郎がものして、大河ドラマなどでも何度も放送されてあたかも真実であるかのように刷り込まれていた事件が実は一次史料にも二次史料にもない創作であったことが次第に明らかになってきていて、この本はその総決算だ。
石田三成が加藤清正らに追い込まれて伏見の徳川家康の屋敷に逃げ込んで窮地を脱した話は司馬遼太郎の本でさんざん読んできたが、三成は自身の屋敷に入ったのが事実だという。
関ヶ原の小早川秀秋の裏切りもしばらく様子見をして焦った家康から鉄砲をうちかけられて切羽詰り大谷刑部の部隊に攻めかかったと司馬の「関ヶ原」にはあるが、実はそんなことはなく関ヶ原の戦いの前日から小早川は家康につくことに決めていて、三成も承知していた。
小早川は戦闘開始とともに東軍で参戦していたというのだ。
この本は大坂夏の陣のことは本丸だけを残して他はすべて破却することは大坂方も了承していたことにさらりと触れているだけなのは物足りないな。
司馬遼太郎は「城塞」で城が落ちてからも淀殿と秀頼が山里曲輪の蔵のなかにこもって命乞いをしていたとし、「落城してからも蔵にこもっていったい何がしたいのか」などと批判的に描いていた。
しかし福田千鶴の「豊臣秀頼」では秀頼が討死にしたのは天守閣の千畳敷だという話を紹介している。また秀頼が戦闘に先立って自ら諸将を、励ましに回ったことや、例の追手門学院から出土した馬を副葬品とした大柄な武将の遺体のことにも触れていた。
この辺りのこともぜひ渡邊には書いてもらいたいものだ。
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