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古本屋日誌
2021-02-16 14:25:00
角川文庫ソフィアから神永暁の「さらに悩ましい国語辞典」が出ている。
神永は小学館で辞書の編纂に従事していた編集者だ。
この中で例の「負けず嫌い」問題を論じている。
負けることが嫌なのに、「負けず嫌い」では負けないことが嫌いとなって反対になってしまうのではないかといういつも言われているやつだ。
従来この表現は「負け嫌い」と「負けじ魂」が混ざり合ってできたものではないかと言われてきたが国語学者の大野晋は推量の助動詞「むず」が「嫌い」についたものでそれが短縮されたとの新説を唱えているということだ。
神永は「もちろん私には、この大野説の適否を云々できる見識も知識もないし資格もない。」としながら自分が編集に携わった「日本国語大辞典」を引用して反論する。
なんでも「負けず嫌い」の用例は江戸時代には見当たらず1913年当たりの中勘助の「銀の匙」が初見なんだそうで、「大野説が正しいと考えた場合、この例の新しさをどう判断したらよいのかといささか気になっている」と書く。
見識がないとか、知識がないとかいろいろ謙遜しているけど、実は大野晋に大いに不満を抱いていることが伝わってきて面白い。
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