Welcome
古本屋日誌
急に値段の上がる本がある。
今まではせいぜい1000円くらいだったのに何のはずみか10倍くらいに跳ね上がり、またそれがよく売れるという事例だ。
新潮文庫の永沢光雄の「AV女優」などもその一つで長らく100円くらいで売っていた本だ。
これは前にも書いたけれど、永沢がどういうルートや手法でやっているのかは謎だが、ともかく相手の女優の懐に入るほどの人間関係を作った上でのインタビュー集で平々凡々で名もなき人たちの興味使い人生が語られている。
その辺に転がっている芸人風情のチャラチャラしてるだけで、先祖は有名人でしたとかいう判でついたようなつまらない人生とは全く違うわけだよ。
それはさておきこのところ異常な高騰に見舞われているのが「現代の俳句」だ。
この本は平井照敏が講談社学術文庫から出しているもので、これまでは千円くらいだった。
ところが今は品薄で1万円くらいする。
様々な俳人の句を絶妙の配列で収録したアンソロジーでたしかに便利な本だと思う。
しかし急に値段が上がっている理由がよくわからない。
講談社学術文庫には「現代の短歌」と題された本もあるがこちらは高騰していない。
またちくま学芸文庫には川名大の「現代俳句」全2巻があって、こちらは主要な俳句のアンソロジーで、さらに解説も充実している。しかし値段は以前から2000円くらいで大したことはない。
河出文庫から出ている同じ平井の「新歳時記、全5巻」も高騰している。
このシリーズについてはテレビでも毒舌をかましている夏井いつきが取り上げて「この本にあることばの元々の意味というあたりが魅力だ」と書いていたのが高騰に拍車をかけることになったようだ。
しかし同じ平井の本でも河出文庫の「俳枕」全2巻は全然昔と変わらない。
こちらも西日本と東日本に全国を分けて俳句に読み込まれた地名を考察した本なんだが、普通の人は季語には気を使うが地名にまでは想像力を馳せることはないと見える。
iPhoneから送信