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古本屋日誌
2021-01-22 11:21:00
北河内には2006年まで「地域文化誌 まんだ」という郷土雑誌があった。
1977から延々と30年近く発行してきたものでこの年で休刊となった。
1980年代にあった大東市での深刻な水害をきっかけにかつてそこにあった深野池の範囲を確定させる研究や明治初期に淀川の治水を担当したオランダ人が残した当時の淀川の正確な流路から仁徳天皇の強頸絶間の位置を推測する試みなど、ブラタモリ的な先駆的な面白い研究もたくさん載っていて私には興味深かった。
ただ郷土雑誌を出したいパトスは幼い頃と今を比べて、自分が生まれ育った土地が大きく変わってしまい、残念だという抜きがたい思いがあることだ。
その世代が退場して今は幼い頃からコンビニやイオンや全国的に均一化された街並みを当たり前のものとして育った世代が跋扈している。こうなると郷愁など生まれるわけがない。むしろ東京やニューヨークへの憧れを語るワンパターンな連中を生み出した。
つまり民俗学が終焉したように郷土雑誌も終わってしまったということだ。
最後の88号には休刊にいたった財務事情が書いてある。
「この2年は一冊も出すごとに10万円からの赤字となった、累積で40万の赤となり貯めていたお金を使い切った」とある。
なんでもそれまでは年間で5万くらいの黒だったそうで、執筆者への原稿料は創刊以来全くなく、掲載誌を数冊送るだけだったという。
まんだ編集部は経済的に援助してくれる人を求めていて、それが得られないなら休刊するしかないと書いている。
一冊出して10万の赤くらいなら年に3冊出すとして30万くらいの持ち出しでしかない。
それくらいならはした金と思えるのだが、北河内には誰一人それを負担しようとする人はいなかったと見える。
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