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古本屋日誌
2021-01-19 14:27:00
柳美里の「JR上野駅公園口」が河出文庫から出ている。
全米読者賞なるものを受賞したそうだ。
柳美里はかなり前から「週刊朝日」に幼い頃の家族模様を描いたエッセイを連載したり「柳美里不幸全記録」などという私小説ともいえる大冊を上梓している面白い作家だ。
さてこの小説だが、上野公園に寝起きするホームレスが皇族が上野の美術館などにくるたびに追い立てをくう姿をリアルに描いている。
ホームレスを立ち退かせるためのビラや通知をそのまま写しとって掲載しているので一種のルボともいえる作品だ。
福島の寒村から追い立てられるように上京してホームレスになった主人公は他に行くあてもないのに皇族がやってくるために追い立てをくらい、掘立小屋をたたまされるのを腹立たしく思っている。
何より解体してぺしゃんこにした己の住まいがもはや廃材にしか見えないことにショックを受ける。
柳美里は冷静なタッチで「(こやといっても)元は廃材を組み立てたものだから」と書いていて印象的だ。
しかし天皇や皇族に対して深い怒りを抱くことはない。息子は浩宮と同じ日に生まれて、名前にも「浩」の一字を頂戴して付けたし、何より天皇が地元に巡行した際詰めかけた25000の大衆の一人として高揚感に包まれたことを大切に思っているからだ。
それにしても全米読者賞て、何を評価したのかな❓今も続く天皇制の威力❓その力に踏み潰されてるのにありがたがる大衆の内面❓
原爆を2回も落としてナチス顔負けの大虐殺に手を染めたアメリカ人に人のいたみなどわかるわけがない。
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