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古本屋日誌

2021-01-12 16:47:00

坂夏樹の「命の救援電車」はわれわれが見捨ててきた空襲のディテールを丹念に掘り起こした労作だ。

大阪大空襲の研究は関西大の小山のものが知られていて、3月10日の東京大空襲に比べて大阪のは死者がずいぶん少ないのは東京では自宅に火がついても逃げずに消そうとして結果逃げ遅れてしまったからだという。

それに対して大阪では既に「東京の空襲では焼夷弾を消せたものではなかった」との情報が伝わっていて、市民は火事になっても消さずに逃げたからだとの話があった。

今回の坂の作品ではあの佐藤栄作が当時大阪鉄道局の局長で「3月13日の夜に大空襲があるから地下鉄の通電を切らないようにしろ‼️」と命じていたことが書いてある。

佐藤がいかなるソースから空襲のことを知ったのか定かではないが、結果として通電されていたから、空襲の最中に3本の地下鉄列車が運行できてたくさんの人命が救われたことになる。

また空襲時、地下軌道内に避難することは禁止されていたが、心斎橋駅では当初閉められてあったゲートを開いて被災者を誘導したことが明らかになった。

それでもしばらくしてまたゲートは閉じてしまい、いくらでも受け入れたわけではないようだが、それでも上からの禁止命令を無視してゲートを開けた駅員や憲兵は大したものだ。

それはさておき大大阪時代の大阪の地下鉄と東京のそれとの違いも書いてあって興味深い。

御堂筋線は当初から10両編成を想定して駅のホームも巨大であったが、東京の地下鉄は線路が曲がりくねっていることもあって3両編成が精一杯だったとある。

この時代の大阪と東京のインフラやビル、町並みを映像で比較したら面白いだろう。
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