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古本屋日誌

2021-01-10 18:51:00

百田尚樹のミステリー「野良犬の値段」だが、違和感を覚えるところもあった。

まずホームレスになった面々がハッカー顔負けのネットフリックで警察を手玉に取る展開は不自然ではないか。いくら怒りや果たせぬ社会正義を心に抱いているとはいえ、ゴルゴ13並の能力を持つ犯人はおとぎ話のようにしか感じられない。

またネットに通じた猛者がいくつもの修羅場をかいくぐった真剣師の男と出会って誘拐をくわだてていくのだが、そう都合よく出会えるとは思えない。これもおとぎ話だ。

しかしそれらは瑕瑾とでもいうべきもので、トータルとしてはこの小説はよくできている。

身代金の支払いを拒否したために人質が1人処刑されてしまう。

人質とはいえ、自分の会社とは縁もゆかりもない人物で、当然身代金を支払ういわれなどない。

ところが支払い拒絶したから人命が失われた、責任は拒否した新聞社にあるなどという情緒的な世論が増加したゆえ、新聞の解約が購読者の1%にも及んで、経営陣が震え上がるところなどいかにもありそうな話で興味深い。


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