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古本屋日誌

2020-12-21 14:18:00

高塚省吾の裸体画は以前からずっと人気がある。デッサンやパステルなどどれも魅力的だ。
美人画として極めてオーソドックスな作品群で、ギリシア彫刻の比肩にたえる出来栄えだろう。

そのうち「パステル画集」を入手しました。是非お求めください。

徳川時代にたくさん刷られた美人画なるものは全然美人ではないですね。

瓜実顔で引目かぎ鼻、おちょぼ口、身体は水木しげるの妖怪のように細いという様式にのっとっているわけだが、どうひいきめにみても引き合いがくる代物ではない。

徳川時代の封建的な桎梏、自由な発想が奪われてしまった250年をそのまま反映している「痴呆の芸術」でしかない。

ただ、かつて平凡社が徳川時代末期の島原、新町、吉原の遊女の写真集を出していたことがあって、それを見ると島原と新町の遊女の顔は確かに瓜実顔で造作も小ぶりで確かに浮世絵の美人画に近いものだった。

対して吉原のは全然浮世絵のとは違っていて、完全にわれわれが美人と感じる女の顔立ちだったからその違いに驚いた。

そうしてみると浮世絵は単に様式美に従って作画したものとばかりもいえなくなる。

京阪では本当にそういう細長くて、おちょぼな女が伝統的に美人と思われていたゆえに版画もそれに合わせて描いたとも考えられる。ということは様式ではなくて、実は写実だということになるのだがなあ。

でも吉原は現代的な美人ばかりだったのに浮世絵は京阪みたいな女になってしまっている。これは全然写実ではない。

京都、大阪への規範意識がなせるものなのかなあ。
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