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古本屋日誌
2020-12-15 12:33:00
連続テレビ小説の「おちょやん」に合わせて宝島社から「浪花千栄子の人生劇場」が出た。
大判のムック本で宝島社お得意の付録、「祇園囃子」のDVDが付いている。
昭和28年の大映映画で溝口健二が監督だ。
木暮実千代扮する祇園の芸妓の美代春は弟子の芸妓の美代恵(若尾文子)の不始末を実力者の君(これが浪花千栄子)から責め立てられる。
美代恵は旦那になろうとする東京の金持ちに迫られて、苦し紛れに男の舌に噛み付いて大怪我を負わせてしまったのだ。
君は美代恵はともかく、美代春に旦那を取るように要求するのだが、美代春はどうしてもうんと言わない。
君は裏から手を回して美代春や美代恵のお座敷がかからないようにする。
ここで自分が元で姉さんを窮地に追い込んだことを悩んで美代恵が祇園の路地を着物姿で行き来するシーンがある。おりしも祇園祭が近いこととて画面いっぱいにコンチキチンの祇園囃子が流れる。
楽しい楽しい祇園祭のおはやし、華やかな芸妓衣装、祇園の路地、何もない時ならこれほど心を癒してくれるものはないのに、窮地に立たされた美代恵には神経を逆撫でする暴力的なメロディでしかない。楽しい日常が横溢する中で自分一人が追い詰められている。
追い討ちをかけるように傍輩の芸妓たちが美代恵を訪れて口々に「がんばってね‼️」などと励ましてくる。これがまた神経に障るのだ。
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