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古本屋日誌
2020-12-13 12:26:00
ちくま文庫から三島由紀夫の「恋の都」が出ている。
敗戦直後の東京の楽団の話でオーナーがアメリカ人で主人公でプロモーターのまゆみは原爆を落としたヤンキー憎さに言い寄ってくるアメリカの若者を袖にするのを生きがいにしている。
なかなか愉快なお話だがプロダクションの社長である大槻という老人が出てくる。
大阪の人で妻が楽団のピアニストと浮気しているのを突き止めて、コンサート当日ホテルにそのピアニストを呼び出して詰問する。
そこへ困り果てたまゆみがやってきて一悶着起きる。
大槻は流暢な大阪弁でしごく真っ当な話をするのだが、浮気相手のギタリストをホテルの一室に鍵をかけて閉じ込めたところは「わて、早速ドーアに鍵こうて、今日のコンサートは、しらちのつくまであきらめてもらいまっさ」となっている。
「ドア」を「ドーア」、「鍵かけて」を「鍵こうて」、「らちがあく」を「しらちのつく」という大阪弁は耳にしたこともないもので蒙を啓かれた。
「鍵をかって」というのは文章では読んだことがあるが、大阪では「かく」をウ音便にして発音していることがわかる。「買う」が「こうて」とおんなじですね。
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