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古本屋日誌

2020-12-09 13:02:00

古本屋はネットでの通販が売り上げのかなりのウエイトを占めるようになっている。

コロナ騒ぎですごもり需要が高まり以前に比べて通販の売り上げは大いに伸びているからだ。

それに購買層は近所の人ではなく、全国津々浦々の1億2千万人であるから、需要は膨大であり、相当おかしな品揃えであっても必ずそれを求めている人が層として存在している。

うちの店など主力商品が大阪の本やきちんとした大学生が学ぶ文庫の基本書であるため、例えば十丁目筋に店を構えたとしても数ヶ月で万歳することは間違いない。

大阪は出版社が全然ない上にちゃんとした大学も郊外にあるところが多いから、商売の材料として本を使う需要が少ない。

だから本を読むのは純粋な趣味からとなってしまい、そうなるとゲームやアニメやYouTubeなど本に比べて遥かに面白い商材と競いあわなくてはならず、勝敗は目に見えている。

しかし通販となるとそんなことはなんの問題もなくいくらでも売ることができる。

店舗の商売なら近所の商店の老舗の人たちにご挨拶をして人間関係を作り、お客さんにも気を配ってどのお客さんにもそれなりに満足してもらえるような品揃えをすることが、こと大阪では求められる。

でもそれは古本屋の経営者の自分としてはあまり面白くないことで、つまり趣味に合わないのだ。「お客さんからお金もらうんやから、辛抱せなあかん」とこれまではなってきたわけだ。

しかし、通販ならそんな心配はなく、自分の趣味やこだわりに特化した商材を扱うことができる。これは古本屋でいえば、神田の古本屋街みたいなものだ。

ビートルズに関する本だけを扱う古本屋、万葉集に関する書籍に特化した古書店そういうヘンテコな店がいっぱいある。こういう客を選ぶわがままな店は東京という特権的な都会にだけ許された形態だった。

たくさんの大学を抱え、その上出版社やマスコミを独占している東京だからこそこういうふざけた品揃えが許容され、商売が現実的なものになってきた。

しかし通販の広がりとコロナ騒ぎで今や全国どこも東京化したといえよう。
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