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古本屋日誌

2020-12-04 01:27:00

牧村康正が講談社から「ヤクザと過激派が棲む街」を出した。

1980年代の山谷での争議団と金町一家との抗争を描いたノンフィクションだ。

今は労働者の高齢化が進み、福祉の街に変貌し、当然手配師もすっかりいなくなり、応募もネット上から求人を確かめる。

そんなすっかり様変わりした山谷で、かつて映画監督を務めた2人の労働者が殺された。

そのディテールを丹念に描いていて読み応えがある。

ただ現在的な課題としてみるとバカの問題が扱われているのがおもしろかった。

争議団は日雇い労働者の味方として手配師を追及してつるしあげる。

関わり合いのある労働者は弁のたつ争議団メンバーの後ろでじっと成り行きを見守っている。

だが、中には跳ねて手配師に手を出してしまう労働者もいて、そのため現場が大混乱となってしまい、果てにはなだめようとした争議団の中心メンバーが逮捕されてしまう。

こういうはた迷惑なバカへのとらえ方は興味深い。どこの世界にもそういう何も考えない人や、考える能力がない人がいるからだ。

争議団の一人は「たとえばハネる人間が出てみんなが逮捕されるようなことになったとしても、そういったことは自分がすべて引き受けるしかないんだよな。それは現場闘争を進める人間の運命だから」という。

基本的に指導者とはそういうものだというのはわかる。

でも指導者ではない普通の労働者はバカを受け容れることなどないよなあ。そこはどうするんだろうかね。

また手を出した張本人への説教も難しい。もともと同じ次元ではないからだ。

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