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古本屋日誌

2020-11-09 16:39:00
藤澤桓夫の「大阪の話」を入手しました。ぜひお求めください。

昭和10年にサイレン社から出た本で元々は箱入りでした。

この本はなかなか古書価が高く箱入りの美本は1万円くらいしていました。タイトルが「大阪の話」で刊行が昭和10年、大大阪時代の真っ只中で風俗小説としても面白そうだと思っていました。

さて、入手して一読しましたが大阪の話と言えるのは巻頭の短編だけで後は東京の話でした。それでも大大阪の頃の雰囲気は味わえる短編ではあった。

①大阪の商家ではそろそろ月給制が採用となり本作では勤続20年の二番番頭が月に30円で、この金額では金はたまらない。一番番頭は60すぎで100円もらっている。

②心斎橋筋を少し東西に入った通りにかつてあった老舗は店をたたみ、喫茶店になってしまった。

③二番番頭の店は帽子を扱っていて儲かっているが本宅は打出にあって旦那夫婦はそこに居住している。しかし親旦那は未だに心斎橋の店に住んでいる。

④尼崎にはダンスホールがあって御寮人さんや大家の次男坊や三男坊が遊びに出向いているが、警察の取り締まりがあり、個人が特定されて警察に呼び出され親族も出頭を命じられて指導される。

⑤女子の服装は少し前まではほぼ和装だったが昨今洋装が幅を利かせ出した。

小説自体は2番番頭が御寮人さんの不貞を告げ口して一波乱ありそうなところで終わっていて物足りない。

やはり、藤澤桓夫には問題がある。

それはさておき、このところ京都、大阪の各所で小規模な古本市がある。天王寺さんや知恩寺のような古本市だとものすごい量の古本を運び込まなくてはならず、トラックを用意して積み込みのためにアルバイトを雇わなくてはならないなど面倒な用事が立て込んでしまう。

ところがたくさんの古本屋が持ち寄りで、しかもせいぜい本棚一つ分(それでもダンボール10箱くらいはあるけど)出すだけならさほど苦労せずに持ち込むことができる。

この気軽さがうけて昨今の古本市繁昌につながっている。

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