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古本屋日誌
2020-10-12 15:56:00
大塚ひかりの「くそじじいとくそばばあの日本史」がポプラ新書から出た。
相変わらず面白い。大塚はどこから着想が湧いてくるのかよくわからないが昔話の深層を寸鉄人を刺す要領でいろいろ展開してくれる。
以前神功皇后が朝鮮から凱旋した際身内に背かれて危機に直面した話を取り上げていた。神功皇后自ら『おきながたらしひめは死んだ‼️」とデマを流して敵を油断させて撃ち破った。
大塚は「本名を明らかにしないタブーが強い中、名乗るのみならず、死んだとまで公言するのは相当な覚悟がいっただろう。その上神功皇后は鎧甲冑を身につけて男装をし、さらに腹ぼてで差し迫った出産を止めるために石を腹に挟んで誠に異形であった。これもパワーを高める呪術で、彼女はよほど追い詰められていたのだろう」などと書いていた。
今回は海幸山幸の山幸彦を取り上げる。
山幸彦が兄に釣り針を返す際に呪いをかけて潮の満ち引きを司る珠で溺れさせる顛末を取り上げて大塚は
「これは兄にとってはまことに理不尽としか言いようがない」
しかし
農耕以前の狩猟採集時代には策略にかけて相手を陥れて少ない労力で倒すのは正しい方針であり「正々堂々と戦うなんていうのは建前だけの道徳に曇らされた近代人の感覚で、やってることは人殺しなわけですから、むしろフェイントで済ませた山幸彦などは素晴らしい策士と言えます」とある。
正々堂々の戦いを建前だけのの感覚とぶったぎるのは天才、大塚ひかりにしかできないことだよなあ。
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