Welcome
古本屋日誌
2020-09-29 12:14:00
先日テレビで「近頃河原達引」の堀川猿廻しの段をやっていた。錣太夫や呂太夫なんだが後半は越路太夫の1970年の美声を楽しむこともできた。
恋路を邪魔する侍を河原で殺してしまった伝兵衛が二世の契りを交わした遊女おしゅんの実家に忍んでくる。
おしゅんの母親と兄はひょっと伝兵衛がおしゅんと心中をたくらんでいるのではないかと心配して、おしゅんに「去り状」を書かせ伝兵衛との仲を終わらせようとする。
夜中案の定伝兵衛が忍んできてさて「去り状」を突きつけるのだがその中身は深くちぎった伝兵衛とあの世に旅立つ覚悟だというもので皆ビックリしてしまう‼️
普通に考えたら自分の娘が咎人の男と心中するなどとバカなことを言っていたら血相変えて止めるだろう。
しかし母親は「伝兵衛さんの方が娘を手にかけようとすると思っていたが、反対に娘がその覚悟だったんだなあ」と言い出しさらに
「考えてみたら遊女の身であっても契りを交わした義理がありました、それは大切だ」などと心中を認めてしまう。
さらに二人の門出を祝って猿廻しの兄が二匹の猿に青と赤の着物を着せて三三九度の真似事からあれこれ踊らせるシーンがある。
赤い盃を飲み干す所作の後猿が盃を頭に乗せ合うといったこっけいな仕草もあるがそのあとは女に扮した猿が仰向けになってしっぽり濡れていくてな流れになっている。
しかしなんといっても女親がどうしたことか一度契りを交わした仲であればたとえ遊女の身であったとしても、男と添い遂げなければならないし、罪を犯したなら心中すら厭わないという義理を重んじる価値観で、誠に理解に苦しむ。
iPhoneから送信