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古本屋日誌

2020-09-05 11:17:00

大正9年に出た文久社の「夜の京阪」という京都、大阪の夜の風情をあれこれ書いた本に松崎天民も「歓楽の大阪」なる一文を寄せている。

まず食べること、これに関しては大阪は極めて優れていて東京の味など足元にも及ばないと手放しで礼賛する。まあこれは流通の発達しない当時であれば近場の物しか手に入らないわけで、瀬戸内海という広大な生簀やまったけがたくさん生える近郊の山々を擁している大阪が優位に立つのは当たり前のことだ。

では肝心の夜の遊びはこれまた大阪の方がまず線香代が安い、南地ではたくさんの芸妓と遊べて、その上貸し座敷で着のみきのまま、夜中雑魚寝も出来る。

夜中の1時、2時に天民は不埒なことに及ぼうとするがこれは果たせず「容易に許すように見えても、その実極まったものを貰わねば、許さないといふ風に見える大阪の芸妓は、この雑魚寝においても訓練されていた」と悔しい気持ちを正直に書く。

これまた大阪の方が効率よく遊べるのでいいわけだ。

天民は悔し紛れに「大阪は木が少なく、風情に乏しい」などと「歓楽の大阪」にはお門違いの批判をしていて面白い。

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