Welcome
古本屋日誌
一昨日から谷町四丁目の大阪古書会館で恒例の古本市だ。
会計の机にはどこの店でもやっているような透明のシートを高いところから貼り付け、下にスペースが作ってあってお金のやり取りができるようにしてある他、来場者にはマスクの着用を求めている。
この古本市でいつも人気があるのは矢野書房で、口開けからいつまでも人がたかって、あれこれ品定めしている。文学書は初版がいいとか、帯付きが欲しいとか、どの刷りのカバーはないかとかいろいろ人の収集意欲をくすぐるところがあるのだろう。
矢野は日本文学だが海外文学の方は寸心堂だ。
本棚がなかなかおしゃれだ。普通の古本屋は使い慣れているのだろう、タンスの引き出しを再利用して黒く色を塗っただけみたいな薄汚れた本棚なんだが、寸心堂のは木目も鮮やかなヒノキの白木でハンドメイドされていて、その上にお勧め本がブックエンド状のものに立てかけてある。
今回は3つの台を使って販売していたが廉価本、ハードカバー、ハードカバーと文庫みたいな構成で平台に本を詰めているのはもちろん、白木のお洒落な本棚を台に積んで見やすく展示している。以前は同人誌を目立つように展示したり、写真集も本棚の上のブックエンドに並べて楽しく販売していた。
これには体力もそうだがものすごい精神力も要していると思われる。倉庫から出して箱詰めしてトラックに積み込んで会場まで運搬してまた段ボールをえっちらこと抱えて並べて販売するのだから、もう通常はレイアウトに気を配る余裕なんか無くなってしまう。
でも本が好きだからきれいに並べてあげようと本気で考えてしまう。
どの商売にもこうした好きからくる非常識があるよね〜
大衆相手のうどん屋でも、たとえばカレーうどんはおにぎり付きで750円と決まっていて、そんなにいい材料は手に入らない。しかし料理が好きすぎてありあわせの材料で出来る限り限界を追求しようとしてしまう。
客がその美味しさにびっくりして「ほんまうまいわ、毎日来てまうわ‼️」と思わず口走ってしまうと店主は「そらもう精進してますよってに」とか「プロですから」とは言わない。
もじもじ恥ずかしそうにする。ありあわせの材料でお茶を濁していてごめんねと思っているのだ。まことに不思議だ。
iPhoneから送信