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古本屋日誌
2020-07-13 13:08:00
昭和51年に「月刊タウン誌 大阪ろまん」というのが出た。
創刊号は100ページくらいあって25周年の新梅田食堂街のグラビアを巻頭に天牛新一郎と杉本書店店主らの対談に23人の大阪ゆかりの人物のエッセイが収めてある。
天牛新一郎は仕入れも含めてずっと大阪で、地方に出たことがないというのに対して、杉本書店の店主は地方の新刊書店によくせどりに出向いていた話をしている。なんでも昭和の初め円本がブームの時に地方の本屋にはたくさん転がっていて一挙に買い占めたんだそうで、新刊屋から「そないに200冊もこうていかれたら、棚がスカスカになってもうて、見栄えが悪なるよってちょっと残しといてや」と言われるくらいだったという。
エッセイでは川崎彰彦も書いていてまださほどの年齢でもないのに晩年の「くぬぎヶ丘にて」みたいな枯れた味わいを出していたのには驚いた。それと対照的なのが寺島珠雄のやつで、西淀川区の中島に住む生活を楽しげに書く。
路肩や巷にはゴミが転がり、空き地には黒く汚れた水が溜まっているし、空気はいろんな臭いがする。寺島はそれがいいんだという。
そしてその感性の先駆者として小野十三郎の詩集「大阪」をあげるのだから相当な確信犯だな。
それにしてもこの雑誌、いろいろ調べても創刊号以外に見当たらない。大阪市立図書館のデータベースにも創刊号しか載ってない。
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