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古本屋日誌

2020-06-24 13:07:00

古本屋の経営に関して不思議に思うことがある。
お客さんから連絡をもらって本を読んで買取に伺うのだが98%くらい、最近の文庫本や小説の単行本です。
佐伯泰英や宇江佐真理の時代小説、半沢直樹、小川洋子、その辺りが多い。この売れ筋の本は店舗販売であれば捌くことができる。
店頭に100均で並べておけば売れる。

しかし通販で売れるかというと、売れないことはないが1円と送料という価格設定になってしまい商売として成り立たない。

わたしがホームページやヤフオク、Amazonなどで販売しているような本はなかなか客からの買取では揃えることが難しい。

もちろん店舗を構えて昔からやっている古本屋の中にはその手の売れる本でなおかつ価値のある本を客買いで調達できるお店もある。
それはその店に付いてる客がいてその辺の普通の人ではないから可能なんです。一応大学の先生や医者、マスコミ関係、出版業界など仕事として本を使う人を客として抱えているので、定期的に売れる本を入手できるルートが確保してあるわけだ。

でもそれは一部の古本屋にのみ当てはまることで大半の古本屋はそうではない。

だから仕入れる本の処分にいつも頭を悩ませることになる。時にはせっかくエレベーターなしで5階から下ろして、ダンボール詰めして車に積み込んで、汗みずくで店や倉庫に運び込んだ本をつぶしにしてほかすこともしばしばある。「こないなアホなことしとってええんかなあ〜〜」という疑問が去らないのだ。

 


以前かなりたくさんの社科学系と単行本を売ろうと思って、大阪が誇る天牛書店にメールで相談したことがある。連絡がメールであって「ご住所が旭区でかなり遠いし、社会科学系の本は古くなるとあれなので、店までお持ちになれば買取りますが、出張買取はできません」とのことだった。
確かにせっかく車で買取に伺っても商品化できないものばかりでは難しい。


先週本の雑誌社から「本の雑誌の坪内祐三」が出た。


坪内が死ぬまでに本の雑誌に書いてきた様々な論考や座談などを集めた本だ。


この中に東京の町田にあった高原書店の話がある。高原書店は4階建てのビル一棟が古本屋で店主はどんな本でも、雑誌でも基本的には断らず買い取る方針で経営していて、倉庫を徳島に構えてものすごい量を抱えていた。


「どんな本でも探している人はいるんだ」さらに「本に高いとか、安いとかはないんだ」と社長はよく社員にのたまわっていたそうだ。
「どんな本でも探している人はいる」これは古本屋ならうなずける話ですが、後者の「本に高い、安いはない」との主張は衝撃的です。
確かにネット通販が普及した今日、どんな本でも必ずあるのは間違いない。
「今、ここでこうとかんともう会われへんのん、ちゃうか」などということはない。


毎日会える、24時間会える。


だからプレミアなんか付けて利益をあげることに血道をあげずに、どんどん仕入れて安く売るのが大切だという主張には説得力を感じずにはおれない。
ただ問題なのはその天下の高原書店が去年倒産してしまったことで、これにはびっくりしたなあ。

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