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古本屋日誌
2020-06-03 12:14:00
今年の「手塚治虫文化賞」は高浜寛の「ニュクスの角灯」だった。
1巻から3巻を入手しました、ぜひお求めください。特に1巻は1刷で、保存状態も良好です。
明治時代の長崎の古道具屋の話で、文盲の女の子が自立して成長していくビルドウィンロマンスです。この女は骨董に触れると前の持ち主がわかったり、未来の姿が見えるという超能力を持っている設定になっている。
外務官僚の邸宅に招かれてパーティーのための蓄音機やドレスの調達を任される話がある。
官僚の娘にコルセットや裾を引きずるようなゴージャスなドレスを着せてやるのだが、この女には、ずっと心にかかっている男がいるのだが、何の進展もないまま、親から縁談が持ち込まれて娘心は揺れている。
そこへこの古道具屋の娘は例の能力を発揮して女の将来が明るいと言ってあげて前向きにしてやるのだ。
とこんな感じで書いたしまうと、よくある超能力モノで、くだらないお伽話かとなるところだが、実はこの古道具屋の娘は、そんな予言能力など持ち合わせてはいないことがやがて明らかになるのだ。
何の取り柄もなく、人からもバカにされるのを苦にして、悩んでいる人の表情や境遇まで予習しておいて、そういう人間観察から一番妥当なあり得る可能性を予言だとまことしやかに言ってやってるだけだったのだ。
さてそうなるとこれまで女の予言で前向きに人生を立て直そうとした連中のその後が気になるところなんだが、おそらくその伏線は何らかの形で回収されるんだろうと期待はしている。
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