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古本屋日誌
2020-03-27 16:28:00
大宅賞をとった堀川恵子の新作が去年出た。
「狼の義」という犬養毅の伝記で、なぜか小説風の随所にセリフが織り込まれた作品だ。堀川恵子は「原爆供養塔」で名を馳せた、従来注目されてこなかった供養塔にスポットを当てて戦後の広島市のマスコミ戦略を描いた作品だ。
確かに原爆のモニュメントとして「平和祈念館」ばかりが取り上げられ、原子爆弾に焼かれた遺骨を埋葬した供養塔が忘れ去られるのは異常だ、堀川恵子はここに目をつけたわけで、その慧眼は大したものだ。
この作品でも冒頭の西南戦争のシーンは印象的で木堂が報知新聞の現地特派員として参加し、政府軍が1日に30万発もの砲弾を戦線に投入して、1薩摩藩の反乱にあまりにも無駄な濫費を繰り返したり、指揮官の山県有朋が優柔不断で敵の弱点があらわになっているのに、慎重の上にも慎重、なかなか出て行かず、ためにこう着状態が続いてしまうことを丹念に描いている。
そしてこの愚かしい帝国陸軍の戦争指揮が昭和に引き継がれていく話になっていく。なかなかの名人芸だよなあ〜〜