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古本屋日誌

2020-03-26 08:27:00

谷口ジローはその圧倒的な画力を駆使した作品で有名だ。「神々の山嶺」をはじめとする山岳ものは代表作で読むものを驚倒させる山肌の描写があるけど、谷口自身は「まだ日本の冬山とアルプスの山肌の違いが出せていない」などどどこまでも求道者の道を貫く。他にも犬や狼の動物モノ、漱石を描いた明治モノ、「孤独のグルメ」のような現代人の心を描いた作品など多彩を極める。

なかでも山岳モノの「K」はネパールに暮らす通称Kと呼ばれる山岳ガイドの話で8000メートル級の高峰に神業とも言えるテクニックで登り遭難者を助ける。

エベレストの断崖に残されたシェルパの遺体を収容するために誰も登ったことのない断崖に挑む話があるのだが、岩が硬くハーケンを打ち込むのに1時間もかかる、滑落して宙ぶらりんになるのだが、麓から吹き上げてくる強い風のピークを待って一気に駆け上がるとかの描写は圧倒的と言うほかない。

それにしても遺体を収容するこの崖登りは10日以上もかかっているのだが、本当にそんなことがあるのだろうかね〜〜

まあ現実的にはヘリコプターで収容してしまうだろうからありえない話だろうけど、ヘリがあろうが何があろうが、そんなものには頼らない求道者の話として読んでいきたい。