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古本屋日誌

2020-03-19 08:52:00

ピアからはるき悦巳の「じゃりん子チエ」のアニメのDVDが全6巻で刊行中だ。

1巻に10話程度収録で現在3巻まで出ていて改めて大笑いしながら見ているとテツのひつこさが今さらながら感じられる。

40がらみの健康な大の大人が仕事もせずにぶらぶらしていて、相撲大会には張り切って参加して大怪我を負ってしまい、入院する。見舞いに来たチエはヤクザのおっさん達と病室にいるテツを楽しませようと花火を打ち上げるのだが、誤って花火が病室に飛び込んでテツはひたいを火傷してしまう。

テツは「べんきょうノート」なる帳面を作り、鉛筆ナメナメ何事かをあれこれ書き込んでいるのだが、これは退院後誰を何発どつくかという細かい算段なのだ。

入院中ヤクザの若い衆にはしもの世話になったのだが「こいつらが花火に火ぃつけたんわかってるから3発ずつどつく」「世話になったことはありがとうゆうけど、これはこれ、それはそれや」てなことをいう。

チエが小学校のマラソン大会でぶっちぎりの先頭を走っている時もテツは「あかーーんあかーーん、そないに早走ったらバテてまうがな、おさえぇー」と絶叫しながらいつまでもいつまでもチエの後をおわえてくる。

面白いことは間違いないけど、実際問題やられた側にたったら鬱陶しいでしようなあ。人間関係が濃密な社会の嫌なところですよね。

評論家の呉智英はこの作品は実は大阪の部落の現実をリアルに描いた作品ではないかという。確かに差別されているがゆえにテツは仕事にありつけない、テツは警察をポリと呼んで蛇蝎のごとく嫌っている。まあそうなのかもしれない。しかし世間がもてはやす昭和へのノスタルジーなるものの実態はこれなんだよなあ。

やたらに干渉してくるおかしな大人、近所の連中、プライバシーのプの字もない日常、ヤクザとの濃密なもたれ合い、清潔などとはお世辞にもいえない環境ともう少し思い浮かべただけで嫌になってくる。