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古本屋日誌

2020-02-29 11:50:00

ハラスが1994年に出した「沖縄シュガーローフの戦い」に帝国陸軍の機関銃の性能の話がある。

南部製九九式軽機関銃がそれで1分間の発射速度が800発あり、米国製のM1919軽機関銃の倍の速度があって「まるで女の叫び声のような音がした」という。帝国陸軍の狙撃兵の正確無比な射撃も取り上げてあって、敵の階級をしっかり確認して士官以上を狙い一撃で命を奪っていくので恐ろしかったという。

海兵隊は次から次へと戦死傷病者が増えていくため、あまり実戦経験のない若い兵隊もどんどん最前線に送り込まれる。恐れを知らない新兵たちがシュガーローフを望む麓にやってきて「さっさとジャップの野郎をやっちまいましょう❗️」と盛り上がっているところに迫撃砲弾が直撃して5人とも首から上がなくなってしまう。

吉田満の「戦艦大和の最期」に特攻出撃の際厨房の係りから「今日の夕食のメニューをおしらせします〜〜」と能天気なアナウンスが明るく流れてくるシーンがあっていつも心打たれる。海兵隊の新兵たちも恐怖に打ち勝つためになんとかいつものように明るく楽しく振る舞おうとしたんだろう。

この本の巻末には現在の那覇市にあるシュガーローフの姿を写した写真と翻訳者である猿渡青児が訪ねたルポも載っている。3つの丘のうちシュガーローフは山裾は少し改変されているが山容全体は戦争時のと比べても大きな変わりはないように見えるし、ハーフムーン丘陵もその面影が窺える。

海兵隊は勝ったから日本を支配下におき、「民主主義の礎を作った」とか「圧政から解放した」だのというたわごとに身を任せて自らを正当化して過ごしていける。

残念なのは帝国陸軍の将兵でその勲が讃えられることもなく、「悲惨な地上戦だった」などとひとくくりにされて終わりというのはバカバカしい。那覇現地にシュガーローフ丘陵がしっかり残されているのはそれこそ歴史を重んじる沖縄県民の保守の魂の現れであると思いたい。

うちは朝日新聞を取っているんですが今回の肺炎騒動で安倍が全国の小中学校の休校を要請した件で、新聞に載るのは家にいるしかない子どもを共働きの家族が面倒をみられないとか、看護婦なんかが家庭に戻らなければならなくなり、その数が減るから外来を診る余裕がなくなるとか、そういう話ばかりなのが不思議だ。

学校に勤務している正社員はそんなに多くはない。ガードマン、清掃員、給食の担当、納品の業者など相当非正規労働者がいて、これらの人は仕事がないからとかいう理由でなんの補償もなく放り出される。

なぜそれが問題ともならないのか実に不思議。