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古本屋日誌
昨日はJR高槻駅前にあるジュンク堂に出向いてあれこれ坪内祐三の追悼文を読み、編集工房ノアから出ている涸沢の「遅れ時計の詩人」も購入。
「文學界」は中野翠と鹿島茂が書いていた。中野は坪内の死んだ日に腕を骨折してしまい満足に書けないことを嘆きつつ「坪内はスルスル歩く、せっかちなところがあった、その坪内が棺の中だ」と書く。
鹿島茂は山口昌男が坪内を連れてきて始めた明治大正の文献研究の思い出を書いていた。
「群像」は橋本倫史。
水了軒の汽車弁の話だ。
坪内はよく大阪の水了軒の弁当の話を書いていた。橋本は坪内の亡くなった翌日、東京に帰る前に大丸梅田店の水了軒に出向いて坪内の好んだ「汽車弁」を求めようとしたが、閉店間際で見当たらない。店員に「汽車弁はないんですか?」と尋ねたら、「どの弁当でも汽車で召し上がられます」と上手いこと言う。
仕方なく八角弁当を買った。水了軒は1度倒産してその後復活したのだが、味に厳しい坪内がそれを食べてどう言うのか、想像してみたら、怖いという。
まああれですね、水了軒が美味いのは間違いないのだが坪内はとりわけ「汽車弁」を好んだのが面白いよね。
私は新幹線に乗るときは常に「御堂筋弁当」を食べてました。これは大阪の様々な名物を弁当に盛り込みたいとのコンセプトで作られた観光客向けの弁当で大阪のウスイエンドウのご飯、タコの入った天ぷら、銀杏、タイの焼き物てな感じで見ていても楽しい。
だが坪内の好みはそこにはなく、「汽車弁」。これはどこにでもある幕の内弁当だ。つまりはごく普通のがよかったんだよなあ。昔ながらのものがいい、気をてらわない好みでまあわからなくはない。
「新潮」は福田和也、平山周吉。福田は自分と坪内は正反対だと書く。自身は行き当たりばったりだが、坪内は周到に話す内容を細かく準備してきて「SPA」の対談に臨んでいる。
また坪内は怒りっぽい。たとえばその店に好きなメニューがないと本気で怒る、なぜそんな小さいことが気になるのか不思議だったという。
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