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古本屋日誌

2020-01-19 17:21:00

「文藝春秋」に毎月「人声天語」なるコラムを坪内は寄稿しているが、最新号のはこのところ若くして死ぬ人が出てきている話だった。

プロ野球の金田正一やタイガースにいたバッキー、文士の安岡章太郎と比べて大相撲の千代の富士、そして橋本治などの短命ぶりが話題になっている。「ミイラ取りが」みたいな話で切ない。

坪内には扶桑社から出した「アメリカ」という本があってその中で占領中に検閲を行なったアメリカを江藤がひつこくあれこれ調べたて、それを受け入れてしまった日本を批判していたことを書いている。

江藤にとってはアメリカはふざけた輩ではあるのだが、その傘の下で生活が成り立ってしまっているという負い目があった。

坪内は江藤より上の世代の例えば福田恆存は全然アメリカに負い目も何も持っていなかったという。

留学して食事の感想でも、アメリカの食べ物には深みも何もない、味がないと突き放した感想を述べている。福田恆存にとってはアメリカなどというものは西洋の落ちこぼれでしかなく、そんなもの歯牙にもかけないほどの生活の厚みも当時の日本にはあったということなのだ。