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古本屋日誌
2019-12-15 12:02:00
漫画雑誌「アクション」に連載中の河野那歩也の「監禁嬢」にはミナミの戎橋や道頓堀橋周辺の風景が見開きでたくさん出てくる。作品の舞台が当面大阪で、主人公たちがひとときデートを楽しんでいるというだけのものなんだが、初めが御堂筋が道頓堀川と交差する道頓堀橋上空からの大開の俯瞰、ついで戎橋上空からの俯瞰、例のグリコの大看板、道頓堀川から見たかに道楽、ドンキホーテの観覧車と続く。
おそらく精密な写真を元に描き起こしたものだろうが、見ていて楽しい。主人公の元高校教師は教え子と一緒に出身校の大阪教育大学の学寮に向かうのだが、ここの描写もリアルで駅からかなりの距離がある山の頂上にキャンパスはあって、登り口に到着するとそこからエスカレーターを三基乗り継いでようやく到着するあたりも忠実に描写してある。校舎、図書館、学寮の描写も極めて忠実だ。
夏になるとこの山間にはびっくりするくらいの蛍の乱舞が見られてというあたりもリアルなんだが、ここで主人公が学生時代に図書館で知り合い、付き合っていた女の話が出てくる。女は突然大学を辞めて父親が経営していた古本屋を継いだという話になっていて、主人公は数年ぶりにその古本屋を訪ねるのだ。
間口が2間くらいはあって、うなぎの寝床風に奥行きがあり三列に本棚が置いてあって、ただ地べたに本は積み上げていない清潔感のある古本屋なんだが、これが思い当たるふしがない。
ここまであくまでもリアルで、現実をなぞっていたのに古本屋だけ、少なくとも私の記憶にはない店が描いてあって悔しい。