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古本屋日誌
ネットで物販が出来るようになって、従来のように店を構えることなく商売ができるようになったのはありがたいことだ。
既存の古本屋も集客のために少しでも長く客に店にとどまってもらおうといろいろ工夫を凝らしている。
本棚と本棚の間のスペースを広く取るために床に本を積み上げない。中央に大きなテーブルとステンレスの椅子を並べてちょっと読んでもらえるようにする。
本棚の前に籐の椅子を並べて落ち着いて座り読みができるようにする。暑い季節には麦茶をサービスし、寒い頃には暑いお茶を出す店もある。
本の並べ方も入ってすぐのところには絵本や料理、雑貨ニッティングの本を並べる。レトロな食器やバッグ、料理小物や音楽CDを置いて多角化を図る。
古本屋の小汚いイメージを慮って本のカバーの上から透明なシートをかぶせてあらが目立たないようにして清潔感をアピールする。
私が感心したのは大阪や京都の古い町屋によくあるうなぎの寝床スタイルを利用した、ある大阪の店だ。
間口は1間くらいなんだが奥行きがあって、通路は右側に1人通れるくらいの狭さにしておいて、照明もあまり強くない。
奥に行く間に左側からセンターにかけていくつかの大きなテーブルや本棚を並べて平板さをなくして寄り道したい気持ちを醸成する。
どこに何かが隠れているような雰囲気がしてくる。本の並べ方もここは文庫本、こちらは新書本、こっちは四六判、あちらは大型本と整理整頓するのではなくて、木製のしっとりした本棚の区切りを細かく分けてどこに何があるのかわからないようになっている。
店の1番奥はテーブルが出張っておらずちょっとしたオープンスペースになっていて開放感がある。そこから二階へ続く木の階段が薄明かりの中に浮かび上がって一段一段の左右の端にはちんまりと本が積んである。
要するに隠れ家のようになっていて本の森の中にいつまでも佇んでいたいような気分になってくる。