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古本屋日誌

2019-10-17 10:33:00

日本マクドナルドの創業者の藤田田の「ユダヤの商法」は長らく品切れでえらい高い値段がついていました。この4月にKKベストセラーから復刊となり江湖の渇をいやした。

藤田はこの本で100くらいの「ユダヤの商法」の法則なるものを説明している。

金持ち相手に商売をしなさい。商売は女と口がポイントだ。女は金を持っているし、食いもん商売は5時間も経てば食べたものが排泄されてまた食べないといけなくなっていつでも売るチャンスがあるからだ。また円が1ドル360円に固定されていた時期にやがて来るであろう切り上げを見越してユダヤ資本がドル売りを仕掛けて、ために日本の外貨準備高は異常なまでに膨れ上がった。自分もドル売りを仕掛ければ必ず儲かることはわかっていたが「祖国を売ることは出来ない」と考えて静観していた、案に違えず1ドル308円となり、360円で売っていたユダヤ資本は302円で買い戻して利ざやの52円を積み上げて莫大な利益を手にしたが、逆に日本政府は先を見通せないバカがトップだったゆえに国民にツケを支払わせる醜態をさらした。 藤田自身は東大の法学部を出て外交官になろうと思っていたがある時先輩から「お前は外交官にはならんよ、なぜなら大阪弁だからだ、大阪弁を使うやつは外交官にはなれない不文律がある」と言われてショックを受けてその道を諦めた。

まあこういった内容でした。

藤田は何でも東京大学の法学部の出身ということだが、基本的な知識がない。「勝てば官軍」ということわざが好きでこの本でも俺は勝ったよ、勝てば官軍なんだという文脈で何回も使い、果ては別の著書のタイトルにまでしているが、そんな使い方はない。このことわざは負けた側が引かれ者の小唄のようにいうもので、勝者か誇らしげにいうものではない。

また藤田は企業経営者にはありがちなのだが、自分に向けられた批判に真正面から答える姿勢がなく、問題をすり替えて終わりにする悪い癖がある。中でも一番問題なのが「金にきれい、汚いはない」との主張である。

藤田は「金には氏素性もついていない」つまり札束には「この金はコツコツラーメン屋をやって稼いだお金です」とも書いていないしまた「この金はスナックをやって酔客からだまし取ったお金です」とも書いていないじゃあないかというわけだ。こんなものなんの反論にもなっていない。もともと日本にはきちんと働いて得た金とどうでもいい商売で稼いだ金を峻別する習慣があった。これは藤田も認めるところだ。普通のリーマンが残業してペコペコ頭を下げて稼いだ金と、例えば嵐がタレント活動して稼いだ金やタイガースの福留の稼いだ金に値打ちの差があるのは当たり前だ。芸人風情やプロ野球の選手ごときが稼いだ金になんの値打ちもないと考えるのが伝統的な日本の価値観であり、私は全く異論を挟むことなどできませんね。