Welcome
古本屋日誌
4年前に大久保昭の「歴史認識とは何か」が中公新書から出て、日韓の間に横たわる歴史認識を巡る様々な論争を長いスパンにわたって俯瞰できるものでもあり、偏見から離れたしっかりした立脚点からの責任ある考えに共感できた作品だ。
最近朝日新聞の読書欄で小倉紀蔵が取り上げたこともあって古書価が急騰していた。品切れだったこともあって1500円、定価の倍くらいになっていたが、ようやく重版がかかり手に入りやすくなった。
大久保昭いうには韓国でこのところ盛り上がっている徴用工、そしてその前の従軍慰安婦の問題の背景には世界史的趨勢となっている人権意識の高まりがあるという。
日韓基本条約ができた1960年代半ばはまだ日本も韓国も貧しくとりあえず生活していくのに手一杯といったところがあった。女性の人権にしてもセクハラやパワハラがまかり通っていたし、日本人も戦争で被害を受けたことに頭がいってしまって、自らが加害者だったことにまでは思いが至らなかった。
ようやく1980年代になり指紋押捺の問題やサハリンの置き去り問題などが俎上に上り遅ればせながらそれなりに前進したり、昨今のMETOOの話、児童虐待の問題も絡んで従来問題視されなかった女性への蔑視や子どもへのしつけが許されなくなってきた。
だから軍が強制的に売春をされたわけでもなく、民間業者によるものだとしても、また日韓基本条約で徴用工への賠償は済んだとされていたとしても、今日の水準の人権意識からしたら到底通らない理屈とされてしまう。という話でした。
まああれですね、私の知っている小学生の通う進学塾でも騒ぐ生徒に対して「大人がゆうてんねんから静かにせんかいな‼️」という発言やあらゆる体罰が禁止されていることに驚いています。今の生身の子供にどう対処していくのかは確かに高まっている人権意識への配慮は必要でしょう、特に塾は商売ですからね、口コミには敏感にならざるを得ない。
ただかつての、80年から前の時代に今日の価値観を当てはめようとする試みは幼稚なものではなかろうか。そんなことばかりしていたら、昔はバカだったでおしまいになって思考が停止してしまう。