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古本屋日誌
2019-08-25 18:59:00
今日もしのぎやすく、昨日の晩かなり激しい雨があって飛び起きて開けていた窓を閉めるほどだった。 今回の直木賞は大島真寿美の「渦」で浄瑠璃作者の近松半二をテーマにしたものだった。
徳川時代の人気では並木正三、並木五瓶と並び数多くの複雑などんでん返しを織り込んだ脚本を書いた。「近江源氏」などとんでもないもので、しかも大坂夏の陣をテーマにしていて随分タブーに挑戦するような作品を書いた。
この受賞作は半二のビルドウィンロマンスともいうべきもので、世間の女を知らないでいた半二が兄の元許嫁からあれこれ学んでいく。いい交わした男にライバルが現れて仲を割かれそうになるや「な、駆け落ちして一緒になろう」と迫り、叶えられないとなるや鬱々として楽しまず、心中や刃傷沙汰に及びかねないありさまだった。半二はどこにでもいそうなおとなしそうな女も一皮むけば、かしくみたいに心中沙汰を引き起こして扇情的に芝居にかけられてしまうような激情を備えていることに驚嘆するわけだ。
まあそら人によりけりだけどね。
こんな感じで例の子供殺しやら、主人ためには何をおいても尽くすだの、合理性に欠く脚本だの欠陥を、現代人の視点に翻案して乗り越えていくわけだ。退屈といえば退屈なんだが、直木賞狙いでもあり、映画化、テレビドラマ化まで視野に入れた野心作だと見えた。
それにしても北の新地にある古本屋「本は人生のおやつです」が春頃この大島真寿美をはるばる招いてトークショーを開催したのは何たる先見の明とけなるいこと限りなし〜〜〜〜
なんでも大島はトークもなかなかのもので観衆はすっかり魅了されたとのことだ。店主がいかなる人間関係で招きえたのかも気にはなるところだ。