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古本屋日誌

2019-08-18 13:11:00

NHKスペシャルで「初公開、秘録拝謁記」というのをやっていた。
昭和天皇は宮内庁長官に「軍部はとんでもないことばかりする。あの下剋上はとんでもない」としきりに嘆いている。
しかし下剋上は明治維新からそうだろう。孝明天皇は幕府よりだったから邪魔になり毒殺されたとのことだし、薩長の連中が天皇を「玉」と呼んでなんらの敬意も払っていなかったことは有名だ。2.26事件では弘前の連隊から秩父宮を夜行で呼び、昭和天皇の代わりにいただくクーデタまで準備されていた。
昭和天皇自身も感じていたように戦争に反対したとしても、取り除かれてしまっただろう。
だいたい戦争なんだから現地の優秀な指揮官の判断が優先されるのは当たり前だろう。東京にいる連中なんか状況も何もわかっていないわけだからバカにされるのは当たり前だろう。
もっとも重大なのは人命尊重の風潮や民主主義の浸透だ。満州事変以来陸軍はたくさんの兵隊の命を失ってきて、「うまくいきませんでした」では大衆が納得しなくなっていた。大坂夏の陣なんか、どう考えても命知らずのツワモノが手ぐすね引いて待ち構えているところに突撃させるわけですよ、でも前田家からも藤堂家からも伊達家からも不満や造反はありませんでしたよ。家康様の下知は絶対ですからね、死ねと言われたら死ぬわけです。
ところが昭和の大衆はそうではない、死ぬ意味が欲しくなっている。
天皇機関説への批判も「天皇が君主制の1機関であって、その程度の存在なら、命を差し出すのには抵抗がある」というもっともな理由から巻き起こったわけだ。

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