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古本屋日誌
今日も垂れ込めて梅雨らしい様子で、世界が雨を待ち焦がれている雰囲気です。
中公文庫から去年全4巻で大岡昇平の「レイテ戦記」が活字を大きくし、新たに大岡昇平自身の講演による自作解説などを加えて刊行。
大岡昇平が言うように地図は添えられているものの、アメリカ軍との細かい戦闘の記録が綴られていき、無限ループのような印象がある。これも大岡自身が体験した戦闘を、そこで命を落とした多数の大日本帝国の将兵の御霊を追悼するためのものであるとするならば納得もいく。
アメリカ軍の記録も多数の参着して「1人の日本兵が棍棒一本持って襲ってきたのには驚いた。これの息の根を止めるのに銃弾15発を打ち込まなければならなかった」とある。機関銃や火炎放射器などの圧倒的な火器で武装したアメリカ軍に投降もせず、樫の棒で立ち向かうという常軌を逸した行動に米兵も取り乱して正気を失っていたわけです。
大岡は特攻に関して「その計画者も実行者も殺気に動かされていた。こういう感情は軍部という片寄った教育を受けた武装集団が存在する以上必ず育つものであり、それに鼓舞されて職業軍人はよく戦うのである」と書く。
まあ確かに戦争が出来るというのはそういうことなんですね。
「レイテ戦記」には殺気にかられたオモロイアメリカ軍の指揮官の話もあってカリガラ地区の戦闘で山から日本軍の迫撃砲を受けてアメリカ軍は立往生し、砲兵の掩護射撃をニューマン連隊長に具申したが「進むんだ、こんなところは砲兵に頼んだって頼まなくったって一緒だ」と却下された、ニューマンは先頭で歩きだしたが、日本軍の榴弾の破片が赤毛のニューマンのみぞおちに当たった。後方へ運ばれる前に彼は弾幕射撃の許可を出したとある。
まああれやな、オモロイやつやね。ニューマンの殺気もみぞおちの破片には勝てませんでした。