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古本屋日誌

2019-06-18 12:25:00

先ごろ破綻した天牛堺書店は「ブルーカード」を発行していて、よくあるポイントの貯まるやつで購入金額の3パーセントが半年に一度商品券でバックされることになっていた。商品券は「ブルカ券」と名付けられていて、名前がね、ちょっと引っかかる。例の福本伸行「カイジ」に出てくるやつとおんなじ名前ですね。漫画ではブルカは「地の獄」でしか使えず、地上の円に比べると笑ってしまうくらいとんでもないレイトでした。

「ブルカ券」は全国の加盟店で使えるとうたってあるのだが、大阪では本屋は天牛堺書店しかなく、それ以外の業種を探しても堺駅前にある「藤吉」という料理屋しかない。どうもこの「藤吉」は天牛堺書店の資本らしいのだが、破産には巻き込まれなかったのか、まあ堺に行くこともあろうから、そこでメシを食ってもいいかなと思っていたらカード事務局から「天牛堺書店ご利用の皆様には図書カードをブルカ券の代わりにお送りします」と粋な計らいを見せてくれました。

朝日選書の「境界の日本史」は世評の高いエポックメイキングとも言える名著だという。早速図書カードを使って購入、一読してみた。

大陸の稲作技術や鉄製品、馬具など様々な物が日本に伝播し、その影響を受けて社会体制も変動していったというのがわれわれの教わった日本史だ。江上波夫の騎馬民族説はその最たるもので、天皇家の先祖は大陸から渡来した騎馬民族であり、そうであるがゆえに突然鉄製品や馬具が大量に出現するのだという。しかし本書によれば1970年代以降の全国各地の発掘の成果で、遺跡の地方格差が明らかとなり、一方的な伝播によって一律に社会が動いたとはおもえなくなっているという。