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古本屋日誌
2019-06-17 12:33:00
神戸新聞の夕刊に連載されている戸川昌士の「あなもん」が単行本となった。カラーの図版も毎回添えてあって見ているだけで面白い。
水木しげるが手塚治虫の鉄腕アトムや複眼魔人を参考にして、同じ構図やセリフを使って「怪獣ラバン」を描いていたことや水木は70くらいからは自身の作品なのに一切執筆しないばかりか構想も人任せになっていたことなどが書いてあった。
まあ水木しげるは手塚治虫がまだ60で死んだことに関して「何でもかんでも自分でやろうと頑張りすぎたから死んだんだ」と言っていたから、自分はそうなってはいけない、若い頃は働きすぎたからという思いもあったんだろう。ただ水木が亡くなった後の回想なんかを読んでも彼が晩年全く執筆していなかったことに触れたものは目にしたことがなかったのでびっくりした。
水木しげるの復刻も手がけていた籠目舎の伊藤徹が水木しげるから出入り禁止を食らっていた話も驚いた。伊藤は梅田の東阪急ビル近所で絶盤漫画やソフビの店を構えていたが「あんたら客はな、なんぼでも物があるときには見向きもせいで、いざ絶版になった、品切れになったら目の色かえて、ないか?見てへんかゆうてくるんやからどないしょうもないわ」とよく叱られた。
伊藤はアメ村のボーリング場の地下で開催していた漫画の古本市にも関わっていてさいとうたかおの「デビルキング」という巨人の話になって「この単行本2巻揃いなんやけど、上、下のはずなやのに上ばかりになっとんねん。ちゃんと検品もようせーへん古本屋がいとんねん」とぼやいていた。
戸川の本には漫画専門店の「まんだらけ」が手塚治虫のサインの真贋を間違えてしまう話も載っていて楽しい。