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古本屋日誌

2019-06-12 13:33:00

道頓堀の立体看板は徳川時代の芝居小屋の人形看板からきているのではないかという話が先日の「ブラタモリ」であった。

くいだおれ太郎や動くカニ、たこ焼き、エビなど例のややこしい看板類は最近の発明ではなく、近世にまでさかのぼる由緒正しき歴史の継承者であるという話だ。

そこで「大阪春秋」のミナミ特集号を見ていたら大阪歴史博物館の船越幹央が、もどと徳川時代には商品を立体化して示す伝統があって、これは現代よりも顕著なくらいだとし、さらに守貞の「近世風俗志」の岩波文庫本第5巻には道頓堀の芝居小屋では上演中の芝居のサビを人形にして展示してあるというのを引用して「現在のけばけばしい人形看板は由緒正しきものだ」と主張している。

なるほどそうなのか。しかし今はもうないけど中座は長らく歌舞伎をやっていたし、文楽座もこれまたないけど、人形看板が出ていた覚えはないなあ。本家本元の芝居小屋はやめてしまったが、なぜか周りの飲食店がそれを継承するというのも変わった話だな。

道頓堀には戦前「赤玉」をはじめとする大きなカフェーが何軒も軒を連ねていたわけだが、おそらく店頭に生きた人形看板を出して客引きをしていたと思う。カフェーも一応ショーや出し物を用意していたから、その点では芝居小屋に似たところもあったわけだから、そのショーのさわりを演じる名目でホステスが店先に立つのはありだったろう。さらにカフェーの名物の天ぷらとか舟盛りとかを店先に飾ることもあったのではないか。