Welcome

古本屋日誌

2019-06-11 10:29:00

本渡章が創元社から出した「カラー版大阪古地図むかし案内」は地図が見やすく、以前のように隔靴掻痒の感はない。

大阪の町割りが道路ではなく、民家の裏を流れる背割り下水を境界としていて、道を隔てて顔を合わせる人同士は同じ町内になっている。従来道頓堀川や阿波座堀川、西横堀川などの掘割は水運を目的にして作られたとされてきたが、そうではなく運河を掘る際に出る土を周囲に盛り上げて湿地を宅地化するためだった。などの話が載っていて「ブラタモリ」のネタ本ではないかとも思えた。

地図から大阪の原風景を探る試みとしては西横堀川に比べて東横堀川に架かる橋の数は圧倒的に少ない。これは東横堀川が大阪城の外堀として考えられているのに対して西横堀川はあくまでも市街地を流れる運河であるからだという。また高津さんは大した面積でもないのに地図上は大きく描かれている。これは徳川時代に仁徳天皇の高津宮がここにあったと考えられているからだという。

ただまあ別に珍しくもない地誌的なウンチクが多くて、地図から読み取る作業や想像を膨らませることが少ないのは相変わらずの難点だ。安井天神さんの説明には松の木が地図に描いてあって、真田幸村がそこで戦死した伝承を本渡は解説で書いている。しかし地図上に「真田」とも「戦死の地」とも書いてないわけだから、地図から読み取れないわけで必要のない解説だ。