Welcome

古本屋日誌

2019-05-25 11:43:00

今朝NHKの例の「チコちゃんに叱られる」で「なぜ大阪のおばちゃんは派手な服装をしているのか?」なる質問がありチコちゃんの正解は「お上の言うことを聞かなかったから」だった。

解説で相愛大学の前垣和義が徳川時代、華美になりがちだった庶民の服装を水野忠邦の天保の改革で取り締まったが、大阪はお上に従わない風潮があり裏地に贅沢な素材を使ったり、下着を華美にしたりしていてその流れが今に至るまで受け継がれているのだと言う。

井上章一などが関わっていた雑誌「現代風俗」には何回か大阪、京都、神戸、東京でヒョウ柄やアニマル柄の服を身につけている街ゆく人の実数調査が掲載してあるが、一貫して大阪は最下位である。神戸や東京の方が多い。したがってNHKの出してきた質問自体が間違いであり、大阪を貶めたい偏見に満ちたものであることは明白である。

また前垣和義は天保の改革以降も大阪人はこっそり服に金をかけていたと言うが、じゃあ京都はどうなんだ?着倒れと称して徳川時代から極めて衣服には贅を尽くしていることが様々な文献にもあるのだが、これは水野忠邦に逆らって「お上の言うことに逆らっている」わけだ。前垣の論からすれば京都人はさらに輪をかけてヒョウ柄やアニマル柄を身につけていないといけないことになるが、もちろんそんなことはない。

だいたい前垣も言う通り大阪人の衣装の金のかけ方は人目につかない裏地とか下着なわけで、ヒョウ柄などのように人目を驚かせるような上着ではない。この程度の説を説いて大学の先生だと称しているんだからバカはどうしょうもないな。

昭和32年に朝日新聞社が出した「アサヒ写真ブック」には大阪の特集号があって「食い倒れ」を取り上げてある。見開き2ページに食い倒れの証拠となる写真が載っているんだがまず道頓堀の「くいだおれ」が「表通りから裏通りに抜ける料亭」なるキャプションで紹介がしてあるがどう見ても料亭ではない。コの字型のカウンター席があって、普通の一杯飲み屋でしかない。他にも新世界の串カツ屋、阪急百貨店最上階の家族食堂などが載ってるだけでどこが食い倒れなんかさっぱりわからない。